岩倉 実相院門跡(じっそういん もんぜき)    Iwakura Jissoin Temple    14.FEB.2004  天空仙人の神社仏閣めぐり


岩倉 実相院門跡

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岩倉 実相院門跡(じっそういん もんぜき)

Iwakura Jissoin Temple

京都府京都市左京区岩倉上蔵町121

121,Iwakura-Kamikura-Cho,Sakyo-Ku,Kyoto


「古文書」 

−解き明かされる世界−

平成の世に紐解かれた古文書

実相院にはその歴史や寺格にふさわしい古文書・典籍が伝来しています。その内容は多岐 に亘り、天皇・将軍の自筆書状や当時の政治・経済・社会・文化を競わせる古文書、そし て「古今和歌集」「新続古今和歌集」「滞氏物語」に代表される国文学資料などがあり、 日本史研究や国文学研究の上で重要な資料として認識されています。そのため、現在も各 分野の研究者が実相院の書庫を訪れて調査・研究を行っています。

また、江戸時代約260年間の歴代門主の日記が伝来しており、これらには当時の風俗や 事件が門跡の目を通して語られています。その意味において、江戸時代の歴史を解明する 上で新しい資料を提供するものと期待されています。その中には、赤穂浪士や幕末の池田 屋事件に関する記事など、従来知られていなかった新事実も確認されています。

岩倉具視を庇護し、松平春嶽ら幕閣の上洛時の宿所となるなど、幕末の倒幕・佐幕両派と 繋がりのあった実相院ならではの記録は、研究者のみならず江戸時代ファンのロマンや興 味をかき立てるはずです。


「不動明王」

一厳しさの中の慈愛−

衆生を見つめる「まなざし」

実相院の本専は木造立像の不動明王で、鎌倉時代作と伝えられています。その形相は、怒 りに髪を逆立て、左目を細めつつ右目を見開いて天地を睨む「天地眼」を備え、口元は右 下の牙で上唇を、また、左上の牙で下唇をかみ合わせるものです。

そして、右手には宝剣をとり、左手には羂索(網)を手にして、背後には怒りの象徴であ る火焔を光背としています。姿は異形・忿怒の恐ろしいものですが、その装い自体は条帛 を左肩からかける姿や胸の装飾具など、基本的な菩薩の装いと同じであり、衆生を救う慈 愛は菩薩となんらの変わりのないことが知られます。

実相院の不動明王は、厳しい眼差しで激動の歴史を見つめてきました。しかし、その奥に は仏の慈愛があふれています。そして、人はその慈愛の「まなざし」に心が救われていく のです。


 「門跡」

−その格式と歴史−

皇族方の御殿・門跡を訪ねる

門跡とは、皇族・貴族が出家し、住んだ特別な寺格のことを意味します。 ここ実相院は現在では単立寺院ですが、室町時代から江戸時代にかけては皇子や皇族の入 室が続き、天台宗寺門派では数少ない門跡寺院の随一とされていました。

実相院は、寛喜元年(1229)今の京都市上京区小川通今出川に創建され、大納言鷹司 兼基の子静基僧正をその開基とし、今の寺地には応永18年(1411)に移されました。

その前身である実相房は園城寺(三井寺)内にあり、文献上、貞元3年(970)頃には その存在が確認され、その時代を含めれば実に千年にも亘る歴史を誇ります。

そんな歴史的な背景から、今も院内のそこここに、格式の高い歴史を伝える文化遺産が数 多く残っています。例えば、四脚門、御車寄せ、客殿などは、20世門主として伏見宮邦 永親王の子、義周親王が入室されていた折、東山天皇中宮であった承秋門院の薨去(17 20)に際して旧殿を移築したもので、まさに宮廷文化を今に留めています。

また、江戸時代、寺院としては門跡寺院のみに飾ることを許されたとも言われる狩野派の 襖絵も、実相院には京・江戸両狩野派がその技を結実させた124面がその華麗さを伝え ています。

実相院 しおり より


実相院

もと天台宗寺門派の門跡寺院。寛喜元年(1229)、静基(じょうき)僧正の開基。寛 永年間、足利義昭の孫に当たる義尊が入寺。その後、後西天皇の皇子義延親王が入寺。以 来、宮門跡が続いた。  

客殿・御車寄など、東山天皇の后、承秋門院の薨去に際し、大宮御所の建物を賜ったもの で、現存する数少ない女院御所といわれている。寺宝には、後陽成天皇宸翰(しんかん) 「仮名文字遣」(重要文化財)、後水尾天皇宸翰「忍」他、狩野永敬をはじめとする狩野 派による襖絵を多数蔵する。

京都市 案内板より


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