1.大吉 うるわしき 神のみさとし あるからは 萬(よろず)の願い 叶うとぞ知れ
2.吉 ひとつとて うるわしきことの あるからは 又も吉事(よきこと) 来たりさかえむ
3.吉 いきしきの みいつかしこみ 諸神に 幸を乞祈み まつる人くさ
4.末吉 先にへらし 後にますこと あることは 月にみちかけ 有ると思いて
5.凶 身のほどを 知らでど送る 月日をば 立て過ぎぬる 身こそ悔しき
6.大吉 寄り来る 神のみたまも 世の中の 人を幸う こととこそ知れ
7.吉 たなつもの みのりもよくて 豊年(とよとし)の ためしなりとて 祝う諸人
8.半吉 世の中の おだしきことを 朝夕に 乞祈みまつる 神の御功徳(みいさお)
9.末吉 行末を 思えば遠し かぎりなき 御代の栄を 待つぞ嬉しき
10.大凶 人目には 見えねどひとり 慎しめよ かくりに神の 在(ま)すと思いて
11.大吉 神と云い 上(かみ)といえるも ひとつにて 神と上との 法(のり)にそむくな
12.末吉 たま石に 隠るといえど 真実なる 光はいつか 世に出ずるかも
13.吉 これと云い あれといえど ひとすじに 家の栄えを たのしみとなせ
14.半吉 冬枯れの 草木もいつか 春くれば もとの青葉を 見るぞ楽しき
15.凶 何事も 人の力の およぶまじ 神のみこころ なると知るべし
16.大吉 ゆるぎなき 御世はとことは 限りなき 神の造りし 国にしあれば
17.末吉 寿(ほ)ぎこと 待ちて喜ぶ 民くさの 末の栄を 祈りこそすれ
18.吉 限りなき 人の行末 とやかくに 思うは心の 迷いなりけり
19.半吉 満ち満つる ことを喜ぶ 人心 欠くるといえる ことを思いて
20.凶 悪しと思い 凶しき思い 慎しめば やがて吉ごと 来るなりけり
21.大吉 大直日(おおなおび) 神のなおびに 禍(まが)ごとの 無くて栄ゆる 身こそ安けれ
22.吉 すべてただ 世はとことわに 神世なり 人の世代(よよ)とは 思わざらまし
23.吉 善悪を 思うは人の ひがごころ 神によしあし 無くと思いて
24.吉 人目をば 忍べといかに 天地の 神の御免(みゆる)し 給うものかわ
25.凶 人のため 善しと思いて なすことも 悪しきとなれる ことを思いて
26.大吉 ちはやふる 神もかしこも 神垣の 内外の守り ゆるがせにすな
27.吉 世の中の ことはむくいの ありという 事を思いて 悪しきことすな
28.半吉 世は末と 思うは人の ひがごころ 末の末なる 事は知られじ
29.吉 年月の 患いの雲 霧晴れて さやかに見ゆる 月の影待つ
30.凶 禍(まが)ことは 身の怠りよりぞ 来るなり 神を恨みそ 人を恨みぞ
31.大吉 松が枝に 鶴の羽音の 聞えつつ 鳴く一こえの いさましきかな
32.吉 世のためと 人のためとて 幸いを 願う心を 神は受けなむ
33.吉 雨霰(あられ) 降るも時々 あるなれば 嵐吹く夜も ありと思いて
34.半吉 おのが身の ほどを守りて よそ外の 事を願わず 身を守りてよ
35.大凶 邪しまの 心ますます さかりにて 人を羨み 世をばかこちて
36.大吉 えみ栄う 身は神々の 守りとぞ 思うてなおも 神をかしこめ
37.半吉 餘所外(よそほか)の ことをうらやみ 思うのは 身をいたずらに 過ごすにぞある
38.吉 天下(あめがした) 治まれる世に 生れ出て なに患うべき ことのあらなむ
39.吉 今ぞ知る 神の御稜威(みいず)は 限りなき 御代の栄えを 見ても知りなむ
40.大凶 吉事(よきこと)をば 願えど身をば 怠りて 何つとむべき 業も知られず
41.大吉 八百萬 国つ御神の 数々も こもれる三輪の 杉のもろ枝
42.吉 賤(しず)が身も 神の恵みの ありと思いて 今は安くぞ 世を渡るなり
43.半吉 明らけき 月をば見れど 愚かなる 心の闇に 身を苦しむ
44.吉 人ごとに 道をば磨け 道という 道は神道(かみみち) 外を願うな
45.凶 天の下 あらけき世に 生れ来て 身の怠りに 心苦しむ
46.大吉 斯(か)くてただ 吉事を願う 心あらば 人の人たる 道をたどりて
47.半吉 幾千年 栄うる宿も 春来れば また萬代を 経ると祝いて
48.末吉 末遠く 栄えを待たむ 住吉の 浦の松原 茂りゆくまで
49.半吉 なかば善し なかばは悪しき 世の中の ことは心に まかせぬぞよき
50.凶 風あらく 波は高くて 船路をば 渡りかねたる 身こそ辛けれ
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