東郷神社（とうごう　じんじゃ） 　　　Togo Jinja Shrine 7.FEB.1998 　　　天空仙人の神社仏閣めぐり

御祭神

東郷平八郎命

元帥海軍大将従一位

大勲位功一級侯爵

御祭神

御祭神の東郷平八郎命は、弘化４年（１８４７）薩摩藩士東郷吉左衡門の４男として鹿児島加治屋 町にお生れになり昭和９年（１９３４）５月３０日午前７時、８８歳にして東京麹町三番町におい て薨去されました。

御祭神は幕末、１９才で薩摩藩の海軍に入り明治維新前後の海戦に従軍、明治４年（１８７１）２ ４才の時にイギリス留学、ウースター号等で７年間厳しい訓練に耐え船乗りとしての知識と技能を 修め、海軍魂を培かって帰国、立派な海軍士官として順調な生活にのりだしました。ところが４１ 才の時、新造国産艦大和（初代）の艦長に任ぜられて間もなく健康を害し第一線を退いて療養のや むなきにいたりました。

しかしその不運にくじけることなく、戦略や国際法の勉強に励まれました。３年ほどで回復して重 要な任務に復帰しましたが、この勉強がその後に、巡洋艦浪速の艦長として、ハワイがアメリカ合 衆国に併合された際（１８９３）や日清戦争中（１８９４〜５）のむづかしい国際問題処理に役だ ち、東郷の名は世界的に有名になりました。

御神徳

日露戦争（１９０４〜５）では連合艦隊司令長官として三笠艦上に「皇国の興廃此の一戦に在り、 各員一層奮励努力せよ」とのＺ旗を掲げて、露国のバルチック艦隊を白本海において撃滅し、世界 の海戦史上空前絶後の完全な勝利をなし遂げられました。

大正のはじめに元帥府に列せられ大正３年（１９１４）から７年間東宮御学問所総裁となり昭和天 皇の教育の大役を果し、明治、大正、昭和の三朝に至誠一貫奉仕、国家の重鎮、まごころの人とし てその高い人格は日本だけでなく世界の人々からも国を護った英雄「大東郷」と尊敬されることに なりました。

昭和９年（１９３４）日本の偉大な世界的英雄が天寿を全うされるや、「至誠（まごころ）は神に 通じる」とその一生を貫かれた御遺徳を長く後世に伝え顕彰するため、神社にお祀りしてほしいと の要望と献金が海軍省に殺到したので、この熱意に時の大角海軍大臣は各界の識者にはかり、

御創建沿革

昭和１５年５月２８日創建

財団法人東郷元帥記念会を設立、全国民に呼びかけて献金のみによる神社を創建することになりま した。御鎮座地は、明治神宮に近い元鳥取藩主池田候爵邸を選び、昭和１２年９月に地鎮祭、同１ ５年５月２７日日本海海戦で完勝した日（当時海軍記念日）に御鎮座祭が行なわれ棒と檜素木、神 明造檜皮葺の府社東郷神社が完成しました。初代宮司は櫻井真清氏（海軍少将）

別格官幣社列格寸前の昭和２０年５月の空襲でその御社殿等は全焼しましたが、２３年に仮社殿を つくり３３年には復興奉賛会が設立されて募金により御復興事業に着手、３９年５月御社殿、社務 所、神門、手水舎等が再建されました。引き続いて東郷記念館の建設が４４年７月に竣功、境内約 ２８，５００平方米の整備を進め、５９年の御祭神５０年祭を目途に懸案の透塀、神符授与所を造 り、神池の修復工事をして、創建当初の尊厳な神域風致に復するようになりました。

社宝

御祭神の有名な「神明は唯平素の鍛錬に力め戦はずして既に勝てる者に勝利の栄冠を授くると同時 に一勝に満足して治平に安ずる者より直に之をうばふ古人日く勝つて兜の緒を締めよと」に因み、 勝利の神様として御真筆からとった「勝」の字を勝負の御守『勝守』『勝札』として授与しており ます。

�@御神刀一振　　人間国宝　　宮入正平氏作

�A重文指揮刀一振　備前吉房作

�B東郷書遺墨　　２００点

�C御祭神遺品　　　６０点

�D油絵　　　　　　日本海海戦

　その他１０数点

東郷神社参拝の栞　より